当会からの市長選公開質問状について、2012年1月18日の京都新聞に掲載されました。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120118000056
がれき問題、争点化動き 京都市長選 安全と復興支援どう両立?
(2012年1月18日 京都新聞)
東日本大震災で大量に発生したがれきの受け入れを、22日告示の京都市長選の争点にしようという動きが出ている。受け入れに反対する市民グループは是非を尋ねる質問書を立候補予定者に送った。市民の安心と復興支援をどう両立するのか。震災ボランティアには前向きな対応を求める声があり、震災がれきを抱える被災地の関係者も注目している。
■保護者の会が質問書
環境省は岩手、宮城両県内のがれき約2千万トンの処理を全国に打診した。京都市は当初前向きだったが、600件以上の反対意見が寄せられ「国の基準が具体的でない」と消極姿勢に転じた。受け入れているのは東北以外では東京都だけだ。
市の方針が揺れ動くなか「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」(下京区)のメンバー5人が11日、子どもへの健康被害を懸念し、受け入れ拒否の要望を立候補予定者に出した。回答はホームページに公表予定で「市民で賛否が分かれる問題を争点にしてほしい」という。
乳幼児がいる保護者には慎重意見が多いといい、中京区内の公園で子どもを遊ばせていた主婦(36)=中京区=は「被災地を支援したい気持ちは強いが、安全性が信用できない」と心配する。
賛成の立場から争点化を求める動きは出ていないが、NPO法人「京都災害ボランティアネット」で福島支援担当の桐山義章さん(37)=左京区=は「被災地では、がれきと同様に『住民も差別されている』との不安が広がっている。復興支援を訴えるなら、冷たい対応は取れないはずだ」と話す。
昨年11月に京都市に受け入れを要請した岩手県議会の会派「地域政党いわて」の及川敦幹事長(44)は「昨夏の五山送り火で岩手県陸前高田市のマツを燃やさなかったことが風評被害を生み、受け入れ拒否が広がる一因になった」と指摘。「選挙で理解を得て京都市の受け入れが実現すれば、全国でも処理が進む」と動向を見守っている。
■門川氏「安全なら拒否せず」 中村氏、受け入れには否定的
立候補を予定している現職の門川大作氏(61)は取材に対し「現地処理が基本」としつつ、「国の基準がしっかりと示され、京都の専門家が独自に検証して安全性が確認されれば受け入れは拒否しない」とする。
新人の中村和雄氏(57)はマニフェスト(公約)に「放射性物質に汚染されている災害廃棄物は受け入れない」と明記。受け入れには否定的で、現地処理に向けた財政支援を行うとしている。
【 2012年01月18日 12時21分 】